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月刊wan2005年1月号

「今年こそ!ワンコの暮らし向上Q&Aスペシャル」

  健康管理編より

 

 

下痢

 

 Q, うちの犬はよく下痢になります。お腹をこわしやすく、病院に行ったら何か悪い菌が繁殖してしまっているとか…。今年こそ元気に過ごさせてあげたいので、胃腸が丈夫になる食べ物や生活を教えてください。(ミックス・オス6歳)

 

まずはご飯を見直して! 普段の食生活改善で解決

 

 

A,  ふだんからお腹が弱く、下痢や嘔吐でしょっちゅう病院に来る犬が増えています。こうしたお腹が弱い犬に共通していることの一つに、食生活の問題があります。

下痢をしたから、違う食事にしてみる。違う食事にしたら、下痢になったからまた変えてみるとコロコロと食事を変えたり、食欲がないからといって美味しい食事や人の食べ物を与えたりしていると、いつになっても食事内容が一定せず、その犬に合った食事が見つからないままずるずるといろいろな食べ物を与え続けてしまいがちです。

 また、室内飼育の犬はどうしても人の食事やおやつを与えられる機会が多いことや、屋外の犬に比べて神経質な犬が多く、お客さんが来たり、ペットホテルに預けられたりといった環境の変化によるストレスが引き金になって下痢を起こすことも少なくありません。

 質問者の犬は病院で「悪い菌」が繁殖していると言われたようですね。もともと、腸の中には消化を助ける善玉菌と異常発酵や腸炎のもとになる毒素をだす悪玉菌がいて、両者のバランスがとれた状態が正常な状態です。このバランスが食べ過ぎやストレス、消化の悪い食事などによって崩れると、とたんに悪玉菌が増えて消化不良や下痢、嘔吐などの原因になります。

 下痢の原因としては、質問者のような細菌によるもののほかに、ウィルスや寄生虫によるもの、食物アレルギーに起因するもの、自己免疫が関係する難治性の腸炎などいろいろです。

お腹の弱い犬は、まず、動物病院で詳しい診察や検査を受け、獣医師と相談の上で食生活の改善を始めましょう。基本的には、骨や犬用のガム、ジャーキーなどの消化しにくい食べ物や油の多い食品、レバーや牛乳など下痢を起こしやすい食品はできるだけさけてください。また、食物アレルギーのある犬の場合は、比較的アレルギーの起きにくいラム肉や白身魚、お米を中心とした調理食に変えてみましょう。食事の時間と回数を決めて規則正しい食生活を送ることは言うまでもありません。

 動物病院で処方される処方食には下痢や胃腸炎など消化能力の低下している犬用に、消化率が高く、適度な繊維を含んだ消化器疾患専用のものや食事にアレルギーを起こしやすい犬用にアレルゲンを除去したものなどがあって、高い効果が期待できます。

 

 

外耳炎

 

 Q, 肌が弱くて、外耳炎や湿疹がよくできてしまううちのコ。特に外耳炎が痒そうにしていて可哀想。日常的な予防を、今年からしっかりやりたいです。また、皮膚を丈夫にするサプリメントはありますか?(M・シュナウザー・メス4歳)

 

フード・シャンプーなど日常生活から変えていこう

 

A, 皮膚に湿疹ができたり耳を痒がったりする原因としては、ノミやダニなどの外部寄生虫や細菌の感染、カビの感染、ホルモンの異常などいろいろ考えられますが、質問者の犬のようにふだんから湿疹ができやすく、日常的に耳を痒がるようなケースでは、少なからずアレルギーが関与していると思われます。犬に多いアレルギーとしては、食事中のアレルゲン(アレルギーを起こす物質)が原因となる食物アレルギー、ハウスダストなどを鼻や口から吸い込むことによっておこるアトピー、ノミの唾液に反応して起こるノミアレルギーなどが一般的です。また、アレルギーが起きると炎症によって皮膚の抵抗力が低下して細菌やカビの感染を受けやすくなります。ブドウ球菌の感染による皮膚炎(膿皮症)やカビの一種のマラセチアによる皮膚炎などが代表的なものです。マラセチアが耳に感染して外耳炎を起こすと、耳の中が赤く充血して激しいかゆみが続きます。

質問者の犬の場合、動物病院で診察を受けて、現在起きている湿疹や外耳炎の治療を受けるとともに、アレルギーの疑いがあれば、アレルギー検査(血液検査)を受けてみるのがよいでしょう。アレルギー検査の結果アレルゲンが特定されたら、その物質との接触をさけ、アレルゲンとなる特定の食品を食べさせないように気をつけましょう。

ご質問の「皮膚を丈夫にするサプリメント」としては、皮膚の炎症を抑える各種の脂肪酸やビタミン、ミネラルなどを主成分とした製品のほか、皮膚に有害な活性酸素を抑える抗活性酸素物質を添加したものなど様々なタイプが市販されています。ペットショップのほか、病院でも扱っている場合があるので相談してみるとよいでしょう。

また、病院扱いの処方食には、質問者のような皮膚の弱い犬用に皮膚の炎症を抑えるオメガ脂肪酸や皮膚を強化するビタミン、ミネラルなどを含んだものや、アレルギー性疾患の犬用にアレルギーを起こしやすい食材を除いた除去食のほか、最近ではよりアレルギーを起こしにくい加水分解タンパクを原料にしたものなども登場しています。

 そのほか、日常生活ではシャンプーをこまめにして清潔を保つこと。その際、細菌やカビを殺す殺菌成分や皮膚の乾燥を防ぐ保湿成分、痒みを防ぐ成分などが入った薬用のシャンプーを使用して下さい。また、皮膚が乾燥して痒みのひどい犬には、保湿剤の入った犬用のローションを皮膚に擦り込むと痒みが軽減することがあります。

 耳の掃除はなるべく専用のローションを使って、数日おきにそっと汚れを拭き取る程度にして、刺激しすぎないように気をつけましょう。

 

 

肥満とダイエット

 

 Q, 我が家の犬は、昨年食事を減らしてダイエットに成功。でもちょっとやせ過ぎ?フードの量を元に戻すと、また太ってしまうんじゃないかと心配です。太ってはダイエットを繰り返す日々から抜け出して、今年こそリバウンドをなくしたい!(ポメラニアン・メス1歳)

 

「摂取」と「消費」のバランスをとろう!

 

 A, ポメラニアンはもともと太りやすい体質をもっているうえに、体が小さく、激しい運動には向いていないので、ダイエットの難しい犬種といえます。とはいえ、肥満は心臓病や糖尿病のほか、肝機能障害、呼吸器や運動器の障害など様々な病気を引き起こすことが知られています。いまのうちにダイエットをして、こうした病気のリスクを少しでも減らす努力が必要です。

さて、肥満の最大の原因は言うまでもなく「食べ過ぎ」です。とくに幼犬期に食事を与えすぎたり、カロリーの高い食事ばかり与え続けたりすると脂肪細胞が増えてしまい、いちど増えた脂肪細胞の数はもとに戻りません。また、避妊や去勢手術をするとそれまで性行動に費やされていたエネルギーが消費されなくなるため、太りやすくなる傾向があります。

肥満解消のポイントは、摂取カロリーを減らすことと運動によってカロリー消費量を増やすこととのふたつですが、質問者のようにフードの量を減らすことだけでダイエットをしようとしてもうまくいきません。フードの量を減らせばたしかに一時的に体重は減りますが、栄養のバランスが崩れて体調を崩したり、慢性的な空腹状態が続くため、量をもとに戻すとまた食べ過ぎてリバウンドしたりと悪循環に陥ってしまいます。

リバウンドをさせずに肥満を解消する秘訣は、低カロリーで繊維質の多い食事を適量あたえることと、食事の時間と回数を決めて規則正しい食生活をさせることです。人が食べているときに分け与えたり、やたらとご褒美をあげたりする習慣をあらため、ジャーキーやミルクなどのおやつも極力ひかえるようにします。食事の回数は、少ないと空腹のためにいちどにたくさん食べて肥満の原因となってしまうため、なるべく回数を多くし、一回の食事の量は少なめにします。

ポメラニアンは活発な犬なので、毎日の運動は欠かせません。ただし、骨が細く骨折しやすいことや肥満で体重があると関節に負担がかかって膝の脱臼をおこすことがあるので過激な運動は禁物です。子犬のうちから、適度な運動をして筋肉を強化すると、ダイエット効果だけでなく、こうした運動器の障害を未然に防ぐことができます。

ポメラニアンのような小型犬の「適度な運動」の目安としては、10〜20分程度の運動(散歩や早足)を朝晩2回程度がよいでしょう。運動不足を気にして週末などにまとめて長時間の運動をさせる人がいますが、ダイエットにはあまり効果的ではありません。ふだんは室内でボール遊びや軽い追いかけっこのなどの遊びをしてあげるとともに、週末にはドッグランのような安全な場所で自由に遊ばせて、運動不足を解消してあげましょう。

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